第二回目の今回はフランス人デザイナーを扱った作品を紹介します。
カール・ラガーフェルド
モードの皇帝と言っても過言ではないカール様ですが、素顔は意外とチャーミングだと思ってしまうのが、「ファッションを創る男~カール・ラガーフェルド~」。
ほとんどの人が知らないであろう、カールのサングラスを取った素顔が拝見出来るのが本作で、自身の思想や人生哲学を喋りまくるカールの素顔に唖然とする人も多いはずです。「服に自分の肉体を合わせるべし」という徹底的なモード美学を持つ天才の素顔を知りたいならオススメの作品です。
「フェンディbyカール・ラガーフェルド~コレクション前夜」はカールがフェンディでコレクションを発表する過程を追った作品で、ファッションへのこだわりが真撃に伝わってくる作品です。
一方「カール・ラガーフェルド スケッチで語る人生」は自身の生涯をスケッチブックに黙々と筆を走らせて語るという一風変わった映画で、やはり非凡なアーティストである彼の考える事は凡人の想像を軽々と超えてしまうと思わされる作品です。
イブ・サンローラン
カール・ラガーフェルドと対照的な性格だったイブ・サンローランも過去2回に渡り、映画で生涯を語られています。
彼のドキュメンタリー作品と、エンタメ作品として作られた2本の「イブ・サンローラン」は、どちらも彼の人生を時系列で追っています。
ドキュメンタリーの方は生涯のパートナーであったピエール・ベルジュや近い友人が彼との思い出を回顧するスタイルを取ります。
このドキュメンタリーでは早くから才能を認められ、異例の若さでクリスチャンディオールの後見者に抜擢されましたが、その繊細な性格からプレッシャーに耐え切れず、華やかな一面だけでは見られない彼の底知れぬ苦悩も語られます。
最後にピエールはイブと過ごした邸宅の思い出の調度品をオークションに出品し、ファッションの一時代を築いたデザイナーとの思い出に終止符を打ちます。
華やかな部分だけではない、トップデザイナーであり続ける事とはどういう事なのかを真撃に語った良作です。
エンタメ作品の「イブ・サンローラン」は、公開当時イブを演じるピエール・ニネのそっくりぶりで話題となった作品。
こちらは生涯を時系列で語っている中で、ライバルであったカール・ラガーフェルドとの黒歴史にも触れていて、エンタメ要素も充分にあります。
どちらもアーティストとしての苦悩さえも芸術へ昇華してしまうイブの天才っぷりが伺える作品です。しかし、この二本を観ると天才っていうのも大変なんだなって思わずにはいられません。。。
二人の天才の違いっぷりを比較するもよし。ぜひお手にとってみて下さい。