引用元: http://www.fashion-press.net/collections/
今期パリコレクションではどこのブランドもクラフトテクニックを生かしたアイテムが目立ちました。プレタポルテコレクションでの独自性の追及で、ハンドテクニックを生かして各ブランドが自分たちのスタイルを上手く表現していました。
各ブランドがハンドテクニックをどのように使うかで、ブランド間を比較するのが楽しいコレクションでした。今回はその中でも、日本を代表する3ブランドをレポートします。
ジュンヤワタナベ
今回のジュンヤワタナベは手作業の温もりを感じさせるコレクションでした。紙で使われる工作のテクニックを布に応用して全体のアイテムに一貫性を持たせています。
レーザーカットしたポリエステル素材を折り紙のテクニックを使って畳みスカートを作ったり、日本人にはどこか懐かしい形状のものが多かったです。他も誰もが一度は子供時代に作ったであろう、紙の提灯をウールで再現しケープにしてしまう発想力はーさすがです。
アンダーカバー
今回のアンダーカバーは普段よりもずっとシックな印象でした。ロングコートやパンツスーツといったマニッシュなアイテムを中心に、終始エレガントな雰囲気。
とはいっても、ディテールでは同ブランドの持ち味である、どこかミステリアスな雰囲気を表現していました。
キレイなラインのトレンチコートの背中にはカッターで切りつけられた様な大胆な裂け目があり、その下には金の滲みが血を連想させ、キャメルのコートや黒のフォーマルジャケットにはガラスが刺さった様な装飾が施されてあり、不気味な雰囲気が見ているものをアンダーカバーの世界観に引き込ませます。
こういった細かいこだわりにハンドテクニックを感じました。
イッセイミヤケ
今回もブランドの十八番である、幾何学的なテクニックが目立ちました。まるでガリレオの世界。立体感と、カラフルな色のアイテムが見る人を魅了しました。
ここ3シーズン連続で発表している蒸気で布が縮んで立体感を出すスチームストレッチの技術が進み、今回はより複雑な模様を見せました。
一見無機質な模様でも、発想は自然の中にある構造からだそう。巻き貝の構造を生かしたフレアスカートはモデルがターンをすると最初は小さく畳まれていたスカートが大きな円を書きながら広がります。
どこか無機質でもリズミカルで動きが軽いのはその為でしょうか。今回も他にはないイッセイミヤケの世界観を十分に披露していました。