トレンドのナチュラルヘアー
最近海外でにわかにトレンドになりつつあるナチュラルヘアーが、今回のコレクション発表で確実なものになりました。アフロで自然のままの黒人モデルがショーのハイライトを飾るなど、極力装飾を無くしたヘアースタイルが今にわかにトレンドとなりつつあります。
ドミニカ人の新しいモデルであるLineisy Monteroがプラダのショーに宝石を散りばめたバレッタで纏めたアフロヘアで登場したり、その他にもバレンシアとアレキサンダー・ワンのコレクションでも同じようなナチュラルなアフロの黒人モデルが登場しました。
セリーヌで初めてアフロヘアのモデルが登場して依頼、このスタイルが徐々に人気を得て、現在ではストレートのポニーテールや真ん中分けのウェーブヘアなどの従来のスタンダードの中でとても目立ち、新鮮に見えます。今までにない新鮮さも今回のブームに繋がっているのでしょう。
自然への回帰
最近では黒人女性のありのままのアフロを見ることは珍しかったと各ブランドのヘアスタイリストは言います。大体の黒人モデルは他の国のモデルに合わせるためにエクステを付けたり、縮毛矯正をかける、またはブローで抑えるのが一般的でした。
しかし最近はファッションだけでなく、オーガニックの食材や、ヨガなど、自然への回帰といったテーマがいろいろな所で扱われ、ファッションの世界にもそのような傾向が現れているのかもしれません。
ウェーブヘアとストレートヘアというのが長くメジャースタイルを締めていて、政治的、ビジネス的にも、そういった何らかの矯正を必要とするスタイルが長らく女性のスタンダードとなっていました。
しかしここ最近、その人の持つありのままのヘアースタイルでいるのがいいのではと主張する人も出て来ています。クリス・ロックのドキュメンタリー、‘Good Hair’の中でもその事について語られています。
ナチュラルアフロでモデルへの道へ
今回、プラダのショーをナチュラルなアフロヘアで飾ったモデル リンジー・モンテロは、モデル事務所に登録した際に、ストレートにするかナチュラルアフロをキープするかで悩んだとのこと。大抵のモデル事務所ではダイアモンドの原石を磨くように、初オーディションの前に新人モデルはその時のトレンドに合わせたヘアーカットします。
リンジーも最初はずっとブローした髪をポニーテールにしていたそう。ただエージェンシーの社長サンドロ・ガズマンが、あるモデルコンペティションの前夜に、彼女に髪を切ってナチュラルアフロにしてと指示したそう。その結果、見事ウィナーの一人に選出されモデルへのキャリアが開かれたそうです。
アフロというと日本人には関係のない話に聞こえるかもしれませんが、最近の黒髪ブームに共通するところがあるのではないでしょうか。
あまり手を加えずに、ありのままの自分の美しさを引き出す。それは常に自分を観察し、自分の事が分かっていないと出来ません。他人に惑わされず、自分にしかない魅力を最大限に引き出せる人が、これからの真のオシャレなのかもしれません。