毎回どこよりもコンセプチュアルで、ただの美しい服で終わらない挑戦し続けるブランドが多く登場するロンドンコレクションですが、今回も例に漏れずアート寄りなコレクションが並びました。
今回レポートするのはどれも女性デザイナーのブランドで、どのブランドもしたたかに現代を生き抜く女性像を描いていて興味深いです。女性服とはこうあるべき、という既成概念に囚われていないところが、みていて清々しいです。
フォスティンヌ・シュタインメッツ
その中でも、今期流行りのデニムをメインで扱うデニムクチュールのブランド、フォスティンヌ・シュタインメッツが前回よりも一層面白いコレクションを見せました。
十八番の手作業ではデニム地全体にウール綿をニードルパンチで埋め込んだアイテムや、シリコンを使って山盛りの白とブルーの絵の具を混ざらないようにデニム表面に塗り付けた様な表面感のあるものが登場しました。
また今回は新しい取り組みでデジタル技術を導入し、デニムではなく平織りのコットン地に歪んだデニム柄をプリントしたものが発表されました。
いろいろ面白い技術を使っているのに普段に着易いアイテムが多いのも魅了です。
ダニエル・ロメルリ
前回のテーマ「ワイルドキャンプ」に続き、今回も「サバイバル」でワイルドな世界をガーリーに落とし込むのが得意なブランドです。
コレクションのストーリーは、新しい服を買えなくなり、ゴミや古着から再生して服を自製しなくてはならない状況だそうで、キルティングやレース、タータンチェックを多く使い、パッチワークやストールでどこかノルディックな雰囲気もあるダイナミックなコレクションでした。
キーアイテムはアシンメトリーなデザインのギャザースカートだそうです。
トーガ
トーガもアシンメトリーなデザインが目立ちました。
テーマの起源はコートを脱いで肩にかけたら、それだけでは落ちてしまうので、太い包帯でたすき掛けにする。だそうで、そこから60~80年代に資本主義に嫌気がさして東洋の精神論や僧侶を目指した若者、または都会を駆け抜けるメッセンジャーを連想したコレクションだそうです。
バランスは全体的に重心が重めで、丈も長めで、ほっそりとしたデザインが多かったです。
全体的にナチュラルカラーで、そこに鮮やかなピンクをアクセントで使っていて、現代の女戦士に来て欲しいコレクションになったそうです。
今回レポートするのはどれも女性デザイナーのブランドで、どのブランドもしたたかに現代を生き抜く女性像を描いていて興味深いです。女性服とはこうあるべき、という既成概念に囚われていないところが、みていて清々しいです。